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【レポート】2015/01/31「ダイアログ・イン・ザ・フィルム: #1 ミランダ・ジュライ」@SHIBAURA HOUSE

2015年2月3日 (レポート)

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久しぶりの大人向けkinologueは、長らく温めていた台詞に着目したプログラムにチャレンジ。映画が心に残る時、きっかけは色々あるが、台詞は要素として大きいなと常々思っていた。見終わった後に頭の中を台詞の言葉が反芻する経験がある人なら分かるのでは。役者さんでなければ、台詞を口にすることは非日常的な行為なので、その滅多にない体験を通じて、映画と出会ってみることで、映画と自分との距離がいつもと違うものにならないか、というのが、今回のプログラムの狙い。このプログラムに合わせて選んだ映画は、作家でありアーティストのミランダ・ジュライ監督長編2作目『ザ・フューチャー』。2年前に公開された作品で、彼女の紡ぐ言葉が持つ、曖昧なようできっぱりとした、リアル且つファンタジックな、相反する不思議な感覚が、このプログラムに合うのではないかと思いついた時から、本格的に動き出した。そして、今回は台詞を読むプロとして、タテヨコ企画で役者さんとして活躍中のこあさちゃんに、企画とファシリテーターに加わって貰うことにした。

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このマニアックな企画に(笑)、参加してくれる人がどれくらいいるかなーと不安を抱えながら、当日を迎えると、何と、ほぼ定員の参加者が集まった!ミランダ・ジュライ好きが集まることを予想していたが、彼女を知らない人・知っていても映画を観ていない人が大半で、映画とワークショップの組み合わせに興味を持って参加した方が多かった。まっさらな気持ちで、台詞⇒映画に出会って貰うのは、正直有り難かった。簡単な自己紹介の後、台詞のワークに移る。こあさちゃんとピックアップした12個の台詞のリストを見て、1つだけ気になる台詞を選んで貰う。そして、「喜・怒・哀・楽」「寒・暖」「速い・遅い」「フリー(自由に感じたこと)」という4つの台詞を読むためのツールを利用して、実際に声に出して読んでみる。なかなかワークを進められない方もいたので、もうちょっと分かりやすい説明をすれば良かったなと反省。2人組でどの台詞を選んだかを話し、その後、全体シェアとして台詞を読んで、理由を話して貰った。4人が選んだ台詞もあったが、意外とバラけて、12のうち8の台詞が選ばれた。「今、自分が読むなら」という気持ちで選んだ台詞が、実際に映画の中ではどんな形で出てくるのか、ワクワクしながら映画鑑賞へ。

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いつ自分が選んだ台詞が出て来るか!の緊張感からか、皆さん、殆ど動かず、真剣に観ていた印象。鑑賞後に、先ずは映画の感想をグループでシェア。かなり色んな視点からの感想が飛び出し、他の人の感想に「そういう見方もあったのか!」と、どよめくシーンもあった。カップルが主人公の作品だけに、男女の視点の違いを感じたのはもちろん、ミランダ・ジュライならではの時間の感覚や描き方、色んな死を感じたといったコメントも。で、更に選んだ台詞を映画の中で聞いた時に、どうだったかをダイアローグ。会話だと思っていたものがモノローグだったり、台詞だけを切り取ってみた時と全く印象が違って、気づかなかった・いい意味で裏切られたなど、いつもはやらない台詞という切り口からの映画鑑賞に様々な反応が返ってきた。なかなか簡単に一言で感想を言いやすい映画でもなく、映画にも台詞にも色んな思いが溢れ、カオスになりかけていたので、ここであと1時間くらいゆっくりダイアローグする時間があると、かなり深いものになったのでは、と悔やまれた。
全体を通した感想として、「映画や言葉の力を感じた」「ミランダ・ジュライをもっと知りたくなった」「久しぶりに映画を観たくなった」「初めて会った人たちと一緒に言葉について語り合う体験が新鮮だった」「映画の見方は決して1つではないと改めて感じた」などをシェアし、最後にパンフレットにあったミランダ・ジュライからのメッセージを読んで終了。映画を新しい世界への扉と捉えているkinologueの想いと、このプログラムを通じて伝えたかったことを感じて頂いたようだった。台詞じゃない切り口で、この映画とまた向き合ってみるのも面白いかもしれないし、結末にモヤモヤとさせられつつ、台詞が心に引っ掛かるような作品で、またこのプログラムを行なうのもいいかもしれないと、色々な可能性を感じることができた。

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