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【レポート】2013/02/23 フィンランドのまなびシリーズ 第1弾『ムーンライズ・キングダム』 フィンランド式“ムーンライズ・キングダム”の作り方@シネマライズ&Creator’s District Cue 702

2013年2月23日 (レポート)

(C) 2012 MOONRISE LLC. All Rights

(C) 2012 MOONRISE LLC. All Rights


今年初のkinologueは、新しい試みがふたつ。一つは昨年のフィンランド滞在から温めてきた企画「フィンランドのまなびシリーズ」を立ち上げること。もう一つは映画館で映画を観てから、場所を移してワークショップを行うこと。場所を移すことで気持ちが切れないか、という心配があるものの、映画館で観ることの効果を知りたかったので、いつかやってみたいと思っていた。
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今回選んだ映画はウェス・アンダーソン監督の新作『ムーンライズ・キングダム』。昨年フィンランドで公開初日に観に行き、この映画でワークショップをやりたいなぁと思っていたら、「フィンランドのまなびシリーズ」のベースとなっているkoulukino(コウルキノ=フィンランドで映画教育教材を作っているNPO)で教材を作ることを聞き、楽しみに待っていた。帰国後、企画を立ち上げ、配給元のファントム・フィルムさんに協力して頂けることになって、実施に至った。そして、ワークショップ当日。想い出深いシネマライズの前で参加者の方々をお待ちして、チケットを渡す。楽しんできて下さーい♪

ワークショップ会場はシネマライズから徒歩10分以内。が、思ったより本編の開始が遅かったようで、ワークショップ開始まであまり時間がなく、慌てて移動させてしまう。急いで来て頂いたり、ワークショップから参加の方々が時間通りに来て下さったにも関わらず、こちらの不手際で開始時間が大幅に遅れることに、、、kinologue始まって以来の酷い事態。準備はしていたつもりだったが、スペースと時間とワーク内容のバランスが悪かったようで、大変ご迷惑をかけてしまった。バタバタと開始し、先ずはkinologueやワークショップ内容の説明。今回は「フィンランドのまなびシリーズ」として使うkoukukinoの教材を紹介し、『ムーンライズ・キングダム』を学びとして展開するためのトピックの中から「『ムーンライズ・キングダム』は何を伝えたいのか?」「『ムーンライズ・キングダム』をテーマにしたパーティーを企画しよう!」の二つを選び、前者を「『ムーンライズ・キングダム』はどういう場なのか?」というお題のダイアローグに、後者をみんなでパーティーの招待状を作る工作系ワークに展開することにした。

ワークに入る前に、参加者全員に自己紹介と映画の中のお気に入りキャラクターを話して貰うことに。ウェス・アンダーソン監督が好きで公開を楽しみにしていた!という方が何人もいたり、また映画を観てすぐの感想がビビットで、全体的に映画が好き!映画を楽しんだ!という雰囲気がいつもより色濃い気がした。これが作家性が高い映画の力と、映画館で映画を観ることの効果かと。お気に入りキャラクターはサムとスージーがやはり人気、しかしエドワード・ノートン演じる隊長も意外と人気。
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一つ目のダイアローグのワークは、3-4人のグループに分かれて「“ムーンライズ・キングダム”とはどんな場なのか?」を話しながら、地図の上に思ったことを書いた付箋を貼っていった。ダイアローグの中で一番気に入ったアイディアに印を各自つけて貰い、グループごとに発表。「ムーンライズの意味=日が出ている日常とは違って月が出る時は<自分たちだけの世界>」「自分らしくいられる場所」「永遠ではない所」「自分の王国=秘密基地的。でも所謂男子だけで集まる秘密基地ではなく、男女が行くベストデートスポット」「隠れ家」「寒そう」「自分たちがいていい場所」「遠いようで近い、近いようで遠い」「夢と現実の境目がない(現実を考えなくてよい)」「電気とガスが通ってない」「不可能がない」「箱庭感」「重力が多分10分の1」「赤いジャケットのおじさんは神なのでは」・・・と似ているようで、違う見方がたくさん出てきた。
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二つ目のワーク、『ムーンライズ・キングダム』をテーマにしたパーティーの招待状を作ろう!に。カラフルなA3のボール紙を台紙に、用意された色んなマテリアルや雑誌を切り抜いて、グループで相談して1時間以内に作る。これこそ『ムーンライズ・キングダム』ならではのワーク。カラフルでディテールが楽しすぎるウェス・アンダーソンの独特な世界観に浸ったら、自分も何か作りたい!と刺激されるはず。しかし、このワークの詳細を決めるのが本当に悩ましかった。最初はデジタルなものにしようとしていたが、お助けスタッフで入ってくれたバーバラに「雑誌の切り抜きが面白いんじゃない?」というアイディアを貰ってから、やっぱりこの映画にはアナログな切り貼りがぴったりだと気づき、あとは作る意欲が湧くようなマテリアルをとにかくたくさん集めた。そして、もう1人のお助けスタッフで手作りマスターのY嬢がきっと面白いモノを持ってきてくれる!と期待。予想通り、私では絶対に思いつかないモノを色々持ってきてくれた。ここまで揃ったのだから、会場にもっとスペースがあれば、マテリアルをバーっと広げて選んで欲しかったなぁと惜しまれる。
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みなさん、めちゃくちゃ真剣。笑。先ずは「どんなパーティーにする?」を話し合いながら、どんどん雑誌を切り抜いたり、破いたり、折り紙を切ったり、シールや柄のマスキングテープを貼ったりして作っていく。同じ場に集まってまだ1時間ちょっとしか経っていないとは思えないほどのチームワークを発揮。映画が触発するクリエイティブな力と、映画についてダイアローグしたことでのつながりが、短時間でこんなに深まるのかと、ただただ感動した。
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そして1時間後、遂に完成&発表!各チームのクオリティの高さに「かわいい〜」「行きたい!」と驚嘆の声が。水色の三日月型が個性的なチームは、美味しいものを食べたり飲んだりできる「満月酒場」、雑誌でたまたま見つけた言葉からのアイディアとか。「気づいたら満月の形じゃなかった」というのも「真ん中が満月に見えるから大丈夫〜」と他のチームからフォローの声。黄色がベースのチームはパーティーの開催時間と場所、タヌキの帽子のドレスコードがしっかり。文字とフラッグのカラフルなかわいさに自然と目がいくのも、実はアースカラーっぽい周りの切り貼りが調和して良く出来ている証拠。近くで見ると最初分からなかったが、少し離れて見ると確かにはっきり牛に見える「USHI」チームは「美味しいものが食べたい!」と牛をメインにしたという。牛を形作っているのが、靴だったりバックだったり逆さになった女の子だったり、見事なもの。立体的に入り江を作ったチームも。スーツケースやレコードが丁寧に作り込まれていて、テントの中にも仕掛けが。木をめくると、時間や場所、ドレスコードなどが書かれている。そして切手も貼ってあり投函可能(難しいけど)。「ボートで来てね」「お花を持ってきてね」「ドレスコードは黄色と鳥!」とユニークなコンセプトの赤のチームの「あなたにラブレターが届いているミラクルポスト」にみんな「すてき〜!」と絶賛。どのチームもアイディア豊富でセンスがあって、たった1時間で知らない人同士がこんなに凝ったものを作り上げることが出来るとは、本当に驚かされた。
最後にアンケートを書きながら、リフレクション。「映画について色んな人と話すことで、違った見方を知り、広がった」「初対面なのに、同じ映画を観ることで、こんなに打ち解けられるのが驚きだった」「色んな人と一つのものを作りあげていくことが楽しかった。心地よい達成感」「もう一度映画を観たくなった」などなど、ワークショップに参加するのが初めてという方が多く、映画の力を感じさせる感想が多かったのも今回ならではだった。次回への課題は、運営面はもちろんだが、「フィンランドのまなび」が薄かったので、それを濃くしていくこと、ダイアローグの満足度を上げることなど盛り沢山。今回の気づきを、次へとつなげていかねば!
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